ヘルニアとぎっくり腰は関係ない⁉病院に行くべき症状とは!

症状

ぎっくり腰になって病院へ行くと、ヘルニアと診断されるケースがあります。

しかし、ヘルニア=腰痛とは限らないことをご存じでしょうか。

本記事ではヘルニアの特徴や、病院へ行くべき症状について解説します。

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ぎっくり腰の原因とされるヘルニアとは?

はじめにヘルニアとはどのような疾患なのか知っておきましょう。

腰椎椎間板ヘルニアのこと

腰痛を訴えてヘルニアと診断された場合、正確には腰椎椎間板ヘルニアを意味します。

ヘルニアは臓器が本来の場所から逸脱した状態を意味します。

鼠径(そけい)ヘルニアや臍(さい)ヘルニア、椎間板ヘルニアなどが代表的です。

ただ、単にヘルニアといった場合、腰椎椎間板ヘルニアを指すケースが多いです。

腰椎椎間板ヘルニアの特徴

腰椎椎間板ヘルニアは、椎体(ついたい)の中にある髄核(ずいかく)が飛び出す点が特徴です。

飛び出した髄核が神経を圧迫すると、腰痛や足のしびれなどの症状を引き起こします。

お尻から太ももに痛みやしびれがある場合、坐骨神経痛と呼ばれることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアの種類

腰椎椎間板ヘルニアは大きく以下の2つに分類されます。

  • 神経根型
  • 馬尾型

神経根型は腰椎椎間板ヘルニアの代表例で、自然に治ることも珍しくありません。

馬尾型は重症例のヘルニアのため、医療機関で適切な措置を受けることが重要です。

腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状

腰椎椎間板ヘルニアの代表的な症状は痛みとしびれです。

腰だけでなく臀部や太もも、ふくらはぎに痛みが出ることもあります。

また、しばしばしびれをともなう点も腰椎椎間板ヘルニアの特徴です。

ヘルニア=腰痛ではない理由

腰痛があるときにヘルニアと診断されると、なんとなく納得してしまいがちです。

しかし、腰痛=ヘルニアではないことには3つの理由があります。

  • ヘルニアは出たり入ったりしない
  • ヘルニアは腰痛全体の5%程度に過ぎない
  • 無症状のヘルニア持ちが多い

ヘルニアは出たり入ったりしない

ヘルニアの症状は椎体から飛び出した髄核が、神経を圧迫するため起こるとされます。

しかし、ヘルニアと診断された方の症状は、時間帯や日によって異なる傾向にあります。

例えば朝起きたときは痛むけど、日中は気にならないという方も多いのではないでしょう。

では、朝出ていたヘルニアが、日中になると引っ込むのでしょうか。

常識的に考えてそのようなことはあり得ません。

この場合、ヘルニアが腰痛の原因と断定するには無理があると言えるでしょう。

ヘルニアは腰痛全体の5%程度に過ぎない

腰部疾患の原因はヘルニア以外にも、脊柱管狭窄症や圧迫骨折などさまざまです。

しかし、ヘルニアが原因となるものは腰痛全体の5%に過ぎません。

参考:厚生労働省・腰痛対策

手術を必要とするヘルニアはなおさら少数例であることを知っておきましょう。

無症状のヘルニア持ちが多い

ヘルニア=腰痛ではない理由が、無症状の方も多くいるためです。

むしろ、ヘルニアが原因で腰痛を起こしている例の方が少ないとも言えます。

自己判断は禁物ですが、ヘルニアが原因と信じ込むのは考えものかもしれません。

腰痛で病院に行くべき症状について

腰痛の多くは原因不明ですが、以下の症状をともなう場合には医師の診察を受けましょう。

  • 両足がしびれる
  • 歩行障害や排便障害が見られる
  • 安静にしていても激しい腰痛が治まらない

両足がしびれる

腰痛にともない両足がしびれる場合、重症例のヘルニア(馬尾型)の可能性が疑われます。

一時的な片足のしびれであれば、経過を観察してもよいでしょう。

ただし、しびれが続くようであれば早めに医療機関を受診しましょう。

歩行障害や排便障害が見られる

歩行障害や排便障害も重症例のヘルニアに見られる症状です。

放置すると寝たきりになる恐れもあるため注意が必要です。

できるだけ早めに専門医に診てもらいましょう。

安静にしていても激しい腰痛が治まらない

安静にしていても激しい腰痛が治まらない場合、内臓疾患の可能性も疑われます。

反対に、痛みのない姿勢が見つかるようであれば、慌てて病院に行く必要はありません。

発熱や吐き気をともない場合も、内臓疾患を発症している可能性があります。

内臓疾患が疑われる場合には、整形外科ではなく内科を受診しましょう。

温めて楽になる場合は筋筋膜性腰痛症の可能性

お風呂で身体を温めて症状が緩和する場合、筋筋膜性腰痛症の可能性があります。

筋筋膜性腰痛症は、筋肉や筋膜の緊張により、痛み物質が出やすくなる点が特徴です。

筋肉や筋膜の緊張は、レントゲンやMRI検査では判断できません。

ヘルニアによる腰痛が長い間治らない方は、整骨院や整体院で見てもらう方法もあります。

3ヶ月以上の治療で改善しない場合は違う方法を検討しましょう

腰を温めて楽になる場合、ヘルニアは原因でない可能性があります。

3ヶ月以上の治療で改善しないようであれば、整骨院や整体院の施術を試してみるのもよいでしょう。

ヘルニア=腰痛ではないことを理解し、適切に対処することが腰痛改善への近道です。

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