ぎっくり腰を予防する方法の1つがストレッチです。
しかし、誤った方法でストレッチすると、筋肉をしっかりと緩められないため注意が必要です。
本記事では、ぎっくり腰の予防目的でストレッチする際の注意点について解説します。
ストレッチがなぜぎっくり腰の予防につながるの?
運動後などに行うことが多いストレッチですが、次の理由からぎっくり腰の予防にも効果的です。
- 筋スパズムを軽減できる
- 血行の促進につながる
- 関節を柔軟に保てる
はじめにストレッチがぎっくり腰予防に効果的な理由について解説します。
筋スパズムを軽減できる
ぎっくり腰はある日突然のように起こりますが、発症者の多くに筋スパズムが見られます。
筋スパズムは筋肉や筋膜が収縮している状態で、放置するとぎっくり腰のリスクが増加します。
ストレッチを行うと筋スパズムが軽減するため、ぎっくり腰の予防効果が期待できるのです。
血行の促進につながる
血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血行不良が起こった場所は回復力が低下します。
ぎっくり腰を発症するのも、腰まわりの血行が悪くなるのが一因です。
ストレッチを行うと血行がよくなるため、ぎっくり腰の予防効果が期待できます。
関節を柔軟に保てる
ぎっくり腰など腰部に見られる症状の多くは、関節が硬くなることで発症リスクが増加します。
例えば足首や股関節が硬いと、クッション機能が低下するため腰に大きな負担がかかります。
股関節が硬いと腰痛やぎっくり腰を引き起こしやすいといわれるのもそのためです。
ストレッチで関節を柔軟に保っておくと、ぎっくり腰の予防効果が期待できます。
ぎっくり腰の予防目的でストレッチする際の注意点
ここまでの解説で、ぎっくり腰の予防にストレッチが効果的である理由が分かりました。
しかし、正しい方法でストレッチをしないと十分な予防効果が得られません。
ぎっくり腰の予防目的でストレッチをする場合、以下の5点に注意して取り組みましょう。
- 筋肉を痛いほど伸ばさない
- 反動をつけない
- 伸ばす筋肉を意識しない
- 息を止めない
- 30秒から60秒行う
筋肉を痛いほど伸ばさない
ストレッチを行う場合、筋肉を痛いほど伸ばさないことが原則です。
痛いほどの負荷が加わると、筋肉はかえって硬く収縮してしまいます。
筋肉が硬くなるとぎっくり腰の発症リスクを増加させるため注意が必要です。
ぎっくり腰の予防目的に限らず、ストレッチは気持ちよく感じる範囲で行いましょう。
反動をつけない
筋肉を伸ばすときに反動をつけないことも、ストレッチを行う際の注意点です。
筋肉は1つのかたまりではなく、筋線維の束が集まってできています。
筋線維は0.02㎜と細いため、反動を付けると簡単に切れてしまいます。
特に慢性腰痛をお持ちの方は、絶対に反動をつけてストレッチしないよう気を付けましょう。
伸ばす筋肉を意識しない
意外に思われるかもしれませんが、ストレッチの際に伸ばす筋肉を意識するのはNGです。
伸ばす筋肉を意識すると、かえって筋肉は収縮して硬くなってしまいます。
筋肉が硬くなると、ぎっくり腰のリスクが増加するため本末転倒の結果となります。
息を止めない
ストレッチをするときは、息を止めないようにしましょう。
息を止めると身体が緊張状態になるため、筋肉がかえって硬くなってしまいます。
寝る前に息を止めてストレッチすると、睡眠の質の低下にもつながるため注意が必要です。
30秒から60秒行う
ストレッチは1ヶ所につき、30秒から60秒かけて行うことが基本です。
研究により10秒から20秒のストレッチでは、筋肉の硬さが変化しないと分かっています。
参考・筋スパズム緩和に有効な圧迫によるストレッチ施行時間について
ストレッチは無理のない強度で、のんびりと取り組むのがおすすめです。
ぎっくり腰の予防のためにストレッチしたい筋肉
ぎっくり腰は筋肉が緊張して硬くなり、結果として発症するケースが多くなっています。
そのため、普段から以下の筋肉をしっかりとストレッチで緩めておきましょう。
- 大腰筋(お腹のインナーマッスル)
- ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)
- 殿筋群(お尻の筋肉)
具体的なストレッチ法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
毎日のストレッチでぎっくり腰を予防しましょう!
ぎっくり腰の多くは、腰まわりや臀部の筋緊張が原因となって起こります。
逆に言えば、腰まわりや臀部の筋肉を柔軟に保てば、ぎっくり腰の発症を防げるわけです。
今回ご紹介したストレッチは、寝ながらできる簡単なものばかりです。
毎日少しずつで構わないので、腰痛予防のストレッチに取り組みましょう。