「ぎっくり腰になって2週間たっても痛い」「2ヶ月もたつのに痛みが残っている」
ぎっくり腰が治らないと、お仕事や家事にも支障をきたしてしまいますね。
こちらの記事では、ぎっくり腰が治らない原因や正しい対処法をご紹介しています。
ぎっくり腰を何度も繰り返す方や、慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ぎっくり腰が治らないのはなぜ?
ぎっくり腰は医学的に急性腰痛症と呼ばれる腰痛の一種です。
激しい痛みが特徴ですが、通常は1週間ほどで激しい痛みは治まる傾向にあります。
ぎっくり腰にともなう腰痛がなかなか治らない場合には、
- 慢性腰痛に移行している
- 何らかの病気を発症している
可能性があります。それぞれについて詳しくみていきましょう。
慢性腰痛に移行している
ぎっくり腰にともなう腰痛がなかなか治らない場合、慢性腰痛に移行している可能性があります。
慢性腰痛の定義は、3ヶ月から6ヶ月以上にわたって腰痛が続くことです。
慢性腰痛はぎっくり腰より治りにくいため、しっかりと治しておく必要があります。
何らかの病気を発症している
ぎっくり腰がなかなか治らない場合、何らかの病気を発症している可能性も疑われます。
代表的な病気としては、以下のような例が挙げられます。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、椎間板の中から髄核(ずいかく)と呼ばれる組織が飛びだす腰の病気です。
大半は神経根型といって、特に治療をしなくてもいつの間にか気にならなくなります。
ただし、両足のしびれや歩行障害、排便障害などをともなう場合は要注意です。
重症例である馬尾型のヘルニアも疑われるため、できるだけ早めに病院で見てもらいましょう。
婦人科系の疾患
女性の場合、婦人科系の疾患を発症していると、ぎっくり腰の痛みを長引かせる可能性があります。
代表的な疾患としては、子宮内膜症や子宮筋腫が挙げられます。
子宮内膜症や子宮筋腫は、閉経すると無症状となるのが特徴です。
ただ、痛みや生理時の出血がひどい場合は、専門家に見てもらうことをおすすめします。
内科系の病気
ぎっくり腰がなかなか治らない場合には、内科系の病気を発症している可能性も疑われます。
腰や背中に激痛を生じる内科系の病気としては、急性膵炎がよく知られています。
ぎっくり腰とは異なり、安静にしていても痛みが緩和しないのが特徴です。
そのような場合、なるべく早めに内科を受診しましょう。
ぎっくり腰の痛みが長引く4つの理由
ぎっくり腰の痛みが長引くのには必ず理由があります。
病院で検査をしても原因が分からない場合、以下の4点を確認してみましょう。
- 姿勢が悪い
- 睡眠の質が低下している
- ストレス状態が続いている
- 初期対応を間違っている
姿勢が悪い
ぎっくり腰の痛みが長引くのは、姿勢が悪いからかもしれません。
猫背や反り腰といった不良姿勢でいると、腰に負担が掛かり続けるからです。
デスクワークの方にぎっくり腰や腰痛が多いのもそのためです。
睡眠の質が低下している
睡眠の質が低下している方も、ぎっくり腰が治りにくい傾向にあります。
私たちの身体は寝ている間に回復するため、睡眠の質が低下するとぎっくり腰も治りにくいのです。
寝る前のスマホやテレビは避け、リラックスした状態で布団に入りましょう。
ストレス状態が続いている
ぎっくり腰が長引くのは、ストレス状態が続いているからかもしれません。
ぎっくり腰の痛みは人それぞれですが、心理状態が症状を左右することはよく知られています。
精神的なストレスだけでなく、身体的なストレスもぎっくり腰を長引かせる要因となります。
初期対応を間違っている
ぎっくり腰の症状が長引くのは、初期対応を間違っているからかもしれません。
初期対応を間違うと炎症状態が続いて症状の回復を遅らせるためです。
そのため、正しい応急処置法を知っておくことが重要です。
ぎっくり腰を少しでも早く改善する正しい方法
ぎっくり腰を少しでも早く改善するには、正しい方法を知っておく必要があります。
何度もぎっくり腰を繰り返す方や、症状が長引く方は以下の6点を意識してみてください。
- 炎症期は患部を冷やす
- コルセットを上手に利用する
- 炎症が治まったら温める方向に切り替える
- 動けるようになったら安静にしすぎない
- 仙腸関節のストレッチをおこなう
- ストレス状態を解消する
炎症期は患部を冷やす
ぎっくり腰の発症からおよそ48時間、患部が熱を持った炎症期が続きます。
炎症期には患部を冷やすと、つらい痛みを緩和する効果が期待できます。
アイスパックなどを利用して、1時間に10分ほど患部を冷やすことが基本です。
コルセットを上手に利用する
ぎっくり腰の初期に痛みが強い場合、コルセットを利用する方法があります。
コルセットで骨盤を固定すると、動作時の痛みを予防するだけでなく安心感が得られます。
ぎっくり腰の初期には、次のような固定力の高いコルセットがおすすめです。
炎症が治まったら温める方向に切り替える
ぎっくり腰の症状がつらいからと言って、いつまでも冷やしていてはいけません。
過度に冷やすと血行が悪くなり、かえって症状の回復を遅らせるからです。
ぎっくり腰の発症からおよそ48時間が経過したら、温める方向に切り替えることが基本です。
お風呂で身体を温めると睡眠の質も高まるので、より効果的にぎっくり腰を改善に導けますよ。
動けるようになったら安静にしすぎない
ぎっくり腰の症状が少し落ち着いてきたら、無理のない範囲で動くようにしましょう。
安静がぎっくり腰からの回復を早めないことは、医学的にも証明されているためです。
無理な運動は必要ありませんが、発症から3日目には日常の動作を始めるとよいでしょう。
仙腸関節のストレッチをおこなう
ぎっくり腰や腰痛には、骨盤の中央にある仙腸関節の可動性が関わっていると考えられています。
仙腸関節には地面からの衝撃や、上半身の体重を支える働きがあるからです。
仙腸関節が硬くなると、腰への負担を増すためぎっくり腰や腰痛のリスクがたかくなります。
おすすめのストレッチについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ストレス状態を解消する
ぎっくり腰を早く改善するためには、ストレス状態を解消する必要があります。
心理的な要因が、ぎっくり腰や腰痛の回復を遅らせると分かっているからです。
ぎっくり腰の症状は大変つらいものですが、ほとんどの症状は必ず治るものです。
必要以上に不安にならず、経過を慎重に見守るようにしましょう。
ぎっくりが治らないときは専門家に相談を!
ぎっくり腰がなかなか治らない場合、専門家に相談することがおすすめです。
ぎっくり腰を見てくれる治療院や施術所、それぞれの特徴についてご紹介します。
病院(整形外科)
病院ではぎっくり腰の原因について、レントゲンやMRIなどで検査してくれます。
原因となる疾患が分かれば、それに応じた治療(薬や痛み止めなど)をおこなうのが一般的です。
馬尾型のヘルニアなど、後遺症の恐れがある場合では手術が検討されるケースもあります。
整骨院・接骨院
整骨院・接骨院では電気治療や温熱療法などで、ぎっくり腰の改善を図ります。
ぎっくり腰の場合は健康保険が適用されるため、施術費が安価である点もメリットと言えるでしょう。
ただし、慢性腰痛の場合は保険が適用されません。
整体院・カイロプラクティック
ぎっくり腰がなかなか治らない場合、整体院やカイロプラクティックで施術を受ける手もあります。
全身のバランスを調整して、ぎっくり腰の原因となる腰への負荷を軽減します。
ぎっくり腰がなかなか治らない場合には、全身のバランスを見てもらうことがおすすめです。
ぎっくり腰が治らない原因を知って正しく対処しよう!
ぎっくり腰は通常、1週間ほどで改善に向かうのが一般的です。
症状が長く続くと病気が心配になりますが、多くはぎっくり腰への対応を誤っているからです。
今回ご紹介した点を参考に、ぎっくり腰を早く改善に導いてくださいね。
正しい対処法を知っておけば、繰り返すぎっくり腰に悩まされなくなりますよ。