デスクワークなど長時間同じ姿勢でいると、お腹に違和感を感じている方はいませんか?
お腹の違和感は、ぎっくり腰の原因にもなる腸腰筋の緊張が原因かもしれません。
本記事では腸腰筋と腰痛との関係について解説します。
ぎっくり腰でお腹に違和感や痛みが出る3つの原因
ぎっくり腰でお腹に違和感や痛みが出る場合、次の3つの可能性が考えられます。
- 内臓体性反射
- 脳の錯覚
- 腸腰筋の緊張
ぎっくり腰でお腹に違和感や痛みが出る原因について、さらに詳しく見ていきましょう。
内臓体性反射
ぎっくり腰でお腹に違和感や痛みが出る原因の1つが、内臓体性反射です。
例えば胃の調子が悪いときに、みぞおちあたりに違和感や痛みを生じることがあります。
同様に腸の機能が低下すると、内臓体性反射により下腹部に痛みを引き起こしやすくなるのです。
また、腸と腰の筋肉は筋膜でつながっているため、腸が硬くなると腰痛が出やすい傾向にあります。
脳の錯覚
脳の錯覚も、ぎっくり腰でお腹に違和感や痛みが出る原因として有力視されています。
ぎっくり腰の痛みは背骨の神経だけでなく、お腹側の神経も通って脳へと伝達されます。
そのため、脳が内臓の異常と錯覚して激しい腹痛を引き起こすことがあるのです。
ストレスにより腰痛を引き起こしやすいのも、神経伝達の仕組みが関わっている可能性があります。
参考・医療法人社団めぐみ会|ぎっくり腰の”痛み”の仕組み
腸腰筋の緊張
腰痛をお持ちの方のなかには、お腹の違和感を訴えられる方が少なくありません。
そのような方を見ていると、腸腰筋に強い緊張を生じていることが分かります。
腸腰筋は腰の骨および骨盤と、股関節を結ぶお腹側の筋肉です。
画像検査ではあまり注目されませんが、腸腰筋は腰痛に深く関わっていると考えられています。
腸腰筋と腰痛との関係
腸腰筋の緊張で腰痛が出やすくなるのは以下3つの原因からです。
- 発痛物質が生成されやすくなる
- 股関節が外旋する
- 反り腰になる
ここでは、腸腰筋と腰痛との関係について解説します。
発痛物質が生成されやすくなる
腸腰筋が硬くなると腰痛が出やすいのは、筋緊張によって発痛物質が生成されやすくなるためです。
筋緊張が起こった場所では局所の血行不良により、発痛物質が生成されて痛みを引き起こします。
例えば長時間の同一姿勢で肩がこると、肩まわりにチクチクとした痛みが出るのもそのためです。
お腹の筋緊張は気づきにくいため、突然ぎっくり腰を引き起こすことも珍しくありません。
股関節が外旋する
腸腰筋の一部である大腰筋が硬くなると、股関節が外へ開きます。
さらに太ももの裏側のハムストリングスが硬くなると、骨盤が後ろに倒れて猫背になります。
デスクワークの方に腰痛が多いのも、腸腰筋と太ももの裏側の筋肉が硬くなりやすいためです。
猫背は腰痛だけでなく、肩こりのリスクも増加させるため注意が必要です。
反り腰になる
腸腰筋に加えて太ももの前側の大腿四頭筋が硬くなると、骨盤が前傾して反り腰になります。
反り腰になると必要以上に腰椎に負荷がかかり、腰痛を引き起こしやすくなります。
座るときに胸を張りすぎている方は、反り腰による腰痛を引き起こしやすいため注意しましょう。
腸腰筋を緩めてぎっくり腰を予防する3つの方法
ぎっくり腰を予防するためには、普段から次の方法で腸腰筋を柔軟に保つことが重要です。
- ストレッチをおこなう
- 歩き方を見直す
- お風呂で身体を温める
腸腰筋を緩めてぎっくり腰を予防する3つの方法について解説します。
ストレッチをおこなう
普段からストレッチで腸腰筋の柔軟性を保つと、ぎっくり腰を予防する効果が期待できます。
腸腰筋のストレッチは以下の手順でおこないましょう。
- 両足を前後に開く
- ひざを曲げながら上半身をまっすぐに下ろす
- 前の太ももが床と平行になったら30秒キープ
- 反対の足を前にして同様におこなう(3セット)
ひざを曲げたときにふらつく方は、椅子の背もたれなどをつかみながらストレッチしましょう。
歩き方を見直す
がに股や狭い歩幅で歩いていると、骨盤が後傾して腸腰筋が硬くなりがちです。
歩く際にはほんの少しだけ大股気味に歩きましょう。
おへそから足が生えているイメージでモデルさんのように歩くと、腸腰筋を緩めることが可能です。
お風呂で身体を温める
腸腰筋を緩める簡単な方法が、お風呂で身体を温めることです。
下半身の血行を促進するため、湯船で30秒ほど正座することもおすすめです。
お風呂に入った後でストレッチをすれば、より効率的に腸腰筋を緩められます。
腸腰筋を柔軟に保ってぎっくり腰を予防しましょう!
ぎっくり腰や腰痛は腸腰筋の緊張によって発症リスクが高くなります。
お腹に張りや違和感がある場合、ぎっくり腰の前兆かもしれないため注意しましょう。
普段から記事内で紹介した方法を実践し、ぎっくり腰の予防に取り組むことがおすすめです。