ぎっくり腰を発症すると、激しい痛みのため動けないこともあります。そのため、
「いつまでこの痛みが続くのか」「ぎっくり腰のせいで仕事を失わないか」
と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、ぎっくり腰で動けない期間がいつまで続くのか、専門家が分かりやすく解説します。
動けない場合の対処法も紹介しているので、つらい症状を早く治すためにもぜひご一読ください。
ぎっくり腰で動けない期間はいつまで続く?
ぎっくり腰で動けない期間は人によってさまざまですが、多くの場合次のような経過をたどります。
発症から1~2日
ぎっくり腰を発症してから1~2日ほど、激しい痛みのため、動くのが困難となります。
少し動くだけで激痛が走るため、トイレに行くのもつらいケースも少なくありません。
この時期はできるだけ無理しないよう、安静にするのが重要です。
発症から3日~1週間
ぎっくり腰の発症から3日ほどすると、ひどい炎症状態が落ち着いてきます。
動いたときの痛みは残りますが、発症直後のようにまったく動けない状態ではなくなるでしょう。
朝起きたときに痛みが強く、身体を動かしているうちに症状が緩和する傾向も見られます。
1週間ほど経過すると、鈍痛が残るものの、日常生活は普通に送れるようになってきます。
そのため、仕事に復帰するのはぎっくり腰の発症後、1週間を目安にするとよいでしょう。
焦って復帰すると、再び休まなければならない結果となるケースも少なくありません。
発症から1ヶ月後
発症から1ヶ月が経過すると、ぎっくり腰を起こしたことがウソのように症状がなくなります。
ただし、適切に対処しないと痛みが残ったり、腰痛が慢性化したりするケースもあります。
ぎっくり腰で仕事を休むときの注意点
ぎっくり腰になると、翌日からの仕事が心配になることもあるでしょう。
ただ、発症直後は激しい痛みに襲われるため、仕事どころではなくなります。
ぎっくり腰で仕事を休む場合、次のような点に気を付けましょう。
- 医療機関を受診する
- 焦って復帰しない
- 労災を使えるか確認する
医療機関を受診する
ぎっくり腰で仕事を休む場合、痛みが少し落ち着いてきたら必ず医療機関を受診しましょう。
病院で検査をした結果、ヘルニアなど思わぬ疾患が見つかった例も珍しくありません。
医療機関で適切な治療を受ければ、ぎっくり腰からの復帰を早める結果にもつながります。
焦って復帰しない
ぎっくり腰を起こした場合、焦って仕事に復帰しないことも重要です。
無理に仕事復帰した結果、かえって長期の休養が必要になったという例も少なくありません。
ちゃんと治してから復帰した方が、仕事の能率も上がりますよ。
労災を使えるか確認する
ぎっくり腰で仕事を休む場合、労災が使えるか確認しておきましょう。
業務にともなうケガと認定されれば、無料で労災保険指定医療機関を受診できます。
また、仕事を休んでいる間の補償を受けることも可能となります。
ぎっくり腰で動けない場合の対処法
ぎっくり腰で動けないと、パニック状態になることもあるでしょう。
しかし、そんなときこそ落ち着いて、次のように対処しましょう。
- 楽な姿勢を探す
- 痛み止めを利用する
- 患部を冷やす
- 歩けないときは無理しない
楽な姿勢を探す
ぎっくり腰で動けない場合、まずは自分が楽な姿勢を探しましょう。
トイレに行く場合、無理に立ち上がろうとせず、四つん這いで進むと楽なこともあります。
座るときは背もたれに寄りかからず、背中を丸めて座るとよいでしょう。
痛み止めを利用する
ぎっくり腰で動けない場合、痛み止めを利用する方法もあります。
眠れなほど痛いようであれば、痛み止めを飲んででも睡眠時間を確保した方がよいでしょう。
私たちの身体は寝ている間に回復するので、痛みで眠れないと症状を長引かせてしまいます。
ぎっくり腰の場合は、ロキソニンやボルタレンといった治療薬が有効です。
ただし、薬で痛みを感じなくなっているときに、無理に身体を動かすのは厳禁です。
痛み止めの効果が切れたときに、さらに強い痛みがあらわれる恐れもあります。
患部を冷やす
ぎっくり腰で動けない場合、患部を冷やすと痛みを緩和できます。
1時間につき10分ほど、氷水を入れたビニール袋や、アイスパックなどで患部を冷やしましょう。
患部を冷やす期間は、ぎっくり腰を発症してから48時間以内が目安です。
48時間が経過すると炎症状態が落ち着くので、その後は温めた方が症状の回復を早めます。
ぎっくり腰を起こしたときの起き上がり方・立ち上がり方
ぎっくり腰を起こすと、布団から起き上がるときや立ち上がるときに痛みが出やすくなります。
そこで、痛みが出にくい起き上がり方・立ち上がり方を知っておきましょう。
起き上がり方
布団やベッドから起き上がる際、あおむけの状態から腹筋を使って起き上がるのは厳禁です。
次のように起き上がると、痛みを最小限度に抑えることが期待できます。
- 仰向けになって両ひざを立てる
- 両ひざをそろえたまま痛くない方に倒す
- 動きがスムーズになるまで5回から10回ほど繰り返す
- 両ひざを倒した方向に上半身もひねって横向きになる
- そのまま両腕に上半身の体重を乗せる
- 腕の力で上半身を起こし布団やベッドに座る
慌てずに時間をかけると、起き上がる際の痛みを最小限度に抑えられますよ。
立ち上がり方
ベッドの場合は座るとき、ベッドサイドから両足を下ろすと、スムーズに立ち上がれます。
立つ時は足の裏全体で踏んばり、前かがみにならないよう足やお腹に力を入れましょう。
ベッドサイドに手をついて立ち上がっても構いません。
布団で寝ている方は、次のようにして立ち上がりましょう。
- 座った姿勢からゆっくりと四つん這いになる
- 足の指を曲げて布団を踏みしめ、少しずつお尻をかかとの近づける
- ひざ立ちになり、片足を前に踏み出す
- 上半身が前後に傾かないよう、お腹の力を入れてまっすぐ立ち上がる
一人で立つ場合は、壁に手を触れながら立ち上がるとよいでしょう。
ぎっくり腰で動けないときは冷静に対処しよう
ぎっくり腰は西洋で魔女の一撃ともいわれており、激しい痛みでパニック状態になることもあります。
ただ、ぎっくり腰の症状は通常、1週間もすれば落ち着いてくるものです。
その間に無理をすると、かえって症状が長引き、結果として仕事への復帰が遅れるケースもあります。
ぎっくり腰で動けない場合、今回ご紹介した点を参考に、まずは痛みの緩和に努めましょう。
その後、医療機関を受診し、適切な診療や治療を受けるのが重要です。