突然のように起こるぎっくり腰への対処法を調べていると、
「とにかく安静にしているのが一番」
「患部を冷やすとよい」
と書かれていることがあれば、
「安静にしすぎるのはよくない」
「冷やしすぎるとかえって回復が遅れる」
など、正反対のことが書かれていることもあります。
そこで、ぎっくり腰を発症したときの正しい対処法をご紹介します。
動けないほどのぎっくり腰への対処法
ぎっくり腰への対処法は、初期症状の程度によって異なることを知っておきましょう。
ぎっくり腰による痛みで動けないほどつらい時は、次のように対処するのが正解です。
安静にする
ぎっくり腰を発症すると、初日~2日目まで、ズキズキと激しい痛みが見られます。
少し動いただけでも激痛が出るようであれば、安静にしているのが一番です。
病院に行くのは動けるようになってからにしましょう。
患部を冷やす
患部がズキズキと痛む場合、氷水やアイスパックで冷やすと楽になります。
1時間につき10分ほどのアイシングを繰り返します。
湿布にはアイシング効果が期待できないので注意しましょう。
ぎっくり腰の応急処置に関しては、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
楽な姿勢を探す
動けないほどのぎっくり腰を発症したら、できるだけ楽な姿勢を探しましょう。
寝るときには痛い方を上にして、横向きで寝るのが基本です。
抱き枕やクッションを利用するのもおすすめです。
軽めのぎっくり腰への対処法
ぎっくり腰になったけど、とりあえずは歩ける程度の場合は次のように対処しましょう。
ひざ倒し体操をおこなう
ぎっくり腰の方の多くに、骨盤の中央にある仙腸関節の可動域低下が見られます。
ひざ倒し体操で仙腸関節の動きを出すと、つらい症状や動作時の痛みの緩和が期待できます。
ひざ倒し体操は、ぎっくり腰の発症直後からできるおすすめのストレッチです。
ひざ倒し体操のやり方については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
お風呂で身体を温める
動ける程度のぎっくり腰であれば、発症直後であっても温めて構いません。
炎症=冷やすではなく、症状の程度で温めるか冷やすかを決めるのが重要です。
腰を温めて気持ちよく感じるなら、どんどん温めるようにしましょう。
無理のない範囲で身体を動かす
とりあえず動ける程度のぎっくり腰なら、無理に安静にする必要はありません。
医学的にも安静が腰痛の回復を早めないことは証明されています。
家事など無理のない範囲で身体を動かすよう意識しましょう。
ぎっくり腰になりそうな場合の対処法
ぎっくり腰を繰り返している場合、「ヤバいかも」といった予兆を感じる方もいらっしゃいます。
そのような場合は、次のような対処で発症を予防しましょう。
無理な動作を避ける
ぎっくり腰の予兆がある場合、無理な動作は避けるようにしましょう。
とくに床の荷物を、上半身を曲げて持ち上げる動作は絶対にNGです。
ひざを曲げ、下半身全体の力で持ち上げるようにしましょう。
発症を予防する目的でコルセットを利用するのもよいでしょう。
座り方を見直す
ぎっくり腰の予兆があるときは、座り方も見直してみましょう。
猫背や反り腰の姿勢になると、腰への負担が増し、ぎっくり腰のリスクを高めます。
骨盤を起こして座ると、ぎっくり腰のリスクを下げる結果につながります。
ストレッチ
ぎっくり腰の予兆がある場合、ストレッチで発症を予防することが重要です。
とくに股関節まわりをしっかりと緩めると、ぎっくり腰の発症リスクを下げられます。
お風呂上りの身体が温まったときにストレッチするとより効果的です。
ぎっくり腰が治るまでにどれくらいかかる?
ぎっくり腰が治るまでの平均的な期間は以下の通りです。
およそ1週間で強い痛みは軽減する
ぎっくり腰の発症から3日ほどすると、発症直後の激しい痛みが緩和してきます。
その後、1週間ほどで強い痛みは軽減してくるのが一般的です。
この間は無理のない範囲で身体を動かしましょう。
2~3週間は違和感が残る
ぎっくり腰の発症から2~3週間は違和感が残ります。
違う場所に鈍痛が出たり、やりにくい動作が出たりする傾向も見られます。
引き続き身体を温め、腰まわりの回復を促しましょう。
1ヶ月すれば症状がほぼなくなる
ぎっくり腰の発症から1ヶ月がたつ頃には、症状がほぼなくなっているでしょう。
この時期にはしっかりストレッチをおこない、再発を予防することが重要です。
こんなぎっくり腰は要注意!
ぎっくり腰にともなって、次のような症状がある場合は注意が必要です。
速やかに病院(整形外科)で見てもらうようにしましょう。
2週間たってもまったく痛みが収まらない・強くなってくる
ぎっくり腰の症状は、発症から3日ほどが経過すると、徐々に緩和してくるのが一般的です。
2週間たってもまったく痛みが収まらない、強くなってくる場合は要注意です。
何らかの疾患を発症している恐れもあるので、すぐに医療機関で見てもらいましょう。
両足にしびれが出る
ぎっくり腰にともなって、足のしびれが出ることは珍しくありません。
ただし、片足だけでなく両足にしびれが出る場合は要注意です。
重篤なヘルニアの疑いもあるため、なるべく早めに医療機関で検査しましょう。
途中で歩けなくなる
歩き始めて10分ほどすると歩行が困難になるものの、しばらく休むとまた歩けるようになる。
また10分ほどすると歩けなくなる。
このような症状を間欠跛行(かんけつはこう)といいます。
腰部脊柱管狭窄症も疑われるため、整形外科で検査してもらいましょう。
正しい対処でぎっくり腰から早く回復しよう!
初めてぎっくり腰になると、頭が真っ白になり、どう対処していいか分かりませんよね?
基本的には冷やして安静にしますが、症状によっては温めた方がよいケースもあります。
安静にしすぎると症状の回復を遅らせることもあるため注意が必要です。
今回の記事を参考に、つらいぎっくり腰を早く治してくださいね。
症状が落ち着いたらストレッチに取り組み、ぎっくり腰の再発を予防しましょう!