「ぎっくり腰をしてから腰痛が慢性化した」「ぎっくり腰からの腰痛がいつまでたっても治らない」
…そんなお悩みはありませんか?
本記事では、ぎっくり腰と慢性腰痛の違いや、痛みが治らない理由について解説しています。
ぎっくり腰がクセになるのを予防するポイントも紹介していますので、ぜひご一読くださいね。
ぎっくり腰と腰痛(慢性腰痛)の3つの違い
ぎっくり腰と腰痛(慢性腰痛)とでは、次の3つの違いがあります。
- 症状の違い
- 痛みが続く期間の違い
- 改善率の違い
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
症状の違い
ぎっくり腰と慢性腰痛とでは、明らかに症状のあらわれ方が異なります。
ぎっくり腰の場合は、患部が熱を持ったようにズキズキと痛むのが特徴です。
腰痛(慢性腰痛)の場合は、激しく痛むというよりは鈍痛を訴えることが多くなっています。
また、ぎっくり腰の場合は痛みのために動けないケースも見られます。
腰痛(慢性腰痛)の場合は、日常の動作にはそれほど支障がありません。
痛みが続く期間の違い
ぎっくり腰と腰痛(慢性腰痛)とでは、痛みが続く期間も異なっています。
通常、ぎっくり腰の痛みは1ケ月もすると感じなくなります。
腰痛(慢性腰痛)の場合は、痛みが3~6ヶ月以上続くのが特徴です。
改善率の違い
ぎっくり腰と腰痛(慢性腰痛)とでは、次の表のように改善率も異なっています。
時間経過 | ぎっくり腰 | 慢性腰痛 |
痛みを自覚した時点 | 52/100 | 51/100 |
6週間後 | 23/100 | 33/100 |
6ヶ月後 | 12/100 | 26/100 |
1年後 | 6/100 | 23/100 |
ぎっくり腰の場合、発症から半年~1年後には、自覚症状としての腰痛がほとんど残っていません。
ところが、腰痛(慢性腰痛)の場合、1年後になっても最初の半分程度の痛みが残っています。
また、腰痛診療ガイドラインには次のような記載があります。
慢性腰痛の自然経過は急性腰痛に比べて不良である
腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版
意外に思われるかもしれませんが、ぎっくり腰よりも腰痛(慢性腰痛)の方が治りにくいのです。
ぎっくり腰が腰痛(慢性腰痛)に変わることはある?
結論から申し上げますと、ぎっくり腰が腰痛(慢性腰痛)に変わることはあります。
最初は腰痛の自覚がなく、ぎっくり腰を発症する方も少なくありません。
しかし、ぎっくり腰を繰り返す方の多くが、慢性的に腰痛を抱えるようになります。
反対に、慢性腰痛を持っている方が、ぎっくり腰を発症するケースもあります。
ぎっくり腰からの腰痛(慢性腰痛)はなぜ起こる?治らない3つの理由
ぎっくり腰からの腰痛(慢性腰痛)はなぜ起こるのでしょうか。
また、腰痛が慢性化するとなぜ治りにくいのでしょうか。
その理由として、次の3つのことが挙げられます。
- 不良姿勢
- 誤った身体の使い方
- 血行不良
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
不良姿勢
ぎっくり腰が腰痛(慢性腰痛)に変化する理由の1つが不良姿勢です。
不良姿勢を続けていると徐々に腰まわりの筋肉が硬くなります。
硬くなった筋肉はちょっとの衝撃で切れやすいため、ぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)を引き起こしやすくなるのです。
デスクワークのときや、家で座っているときに、猫背や反り腰になっていませんか?
そのような姿勢が、ぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)のリスクを高めているのです。
誤った身体の使い方
誤った身体の使い方も、ぎっくり腰からの腰痛(慢性腰痛)の原因となります。
とくに上半身を曲げて床から荷物を持ち上げる動作をおこなった場合、ぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)のリスクを高めます。
運動をする方の場合ですと、正しくないフォームがぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)を引き起こすケースもあります。
血行不良
ぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)の原因としては、血行不良も挙げられます。
血行不良によって腰まわりの栄養状態が低下すると、日々のダメージを十分に回復できなくなるからです。
冷え性の方や、筋肉量の少ない女性、筋疲労が蓄積している方にぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)が多いのもそのためです。
ぎっくり腰がクセになるのを予防する方法
「ぎっくり腰はクセになる」…そんな話を聞いたことがありませんか?
実はぎっくり腰自体がクセになるのではなく、誤った対処法が再発リスクを高めるのです。
そのため、次のようなことに取り組み、ぎっくり腰がクセになるのを防ぎましょう。
- 発症から3日ほど過ぎたら適度に身体を動かす
- 1週間たったらストレッチに取り組む
- 普段の姿勢を見直す
それぞれのポイントについて簡単にご紹介します。
発症から3日ほどしたら適度に身体を動かす
ぎっくり腰をクセにしないためには、痛みが残っていても適度に身体を動かす必要があります。
安静にしているからといって、ぎっくり腰の症状が早く改善することはないからです。
発症直後はともかく、3日ほどしたら適度に身体を動かすと、ぎっくり腰の早期改善につながります。
無理のない範囲で歩くなどするのがおすすめです。
1週間たったらストレッチに取り組む
ぎっくり腰をクセにしないためには、ストレッチに取り組むことも欠かせません。
筋肉や関節が硬いと、ぎっくり腰の発症リスクを高めるからです。
そのため、ぎっくり腰の発症から1週間ほどが経過したら、積極的にストレッチをおこないましょう。
おしりや股関節まわりの筋肉・関節を緩めると、ぎっくり腰の発症リスクを下げられますよ。
普段の姿勢を見直す
ぎっくり腰をクセにしないためには、普段の姿勢を見直すことも重要です。
不良姿勢による筋緊張が、ぎっくり腰を引き起こす大きな要因の1つだからです。
とくにデスクワークの方は、上半身をまっすぐに伸ばして座るのがポイントです。
上半身に無駄な力が入っていない、理想の状態を目指しましょう。
慢性腰痛を改善して繰り返すぎっくり腰を予防する方法
慢性的に腰痛を持っていると、いつぎっくり腰になってもおかしくありません。
いったんぎっくり腰を発症すると、大変つらい思いをするだけでなく、仕事や日常生活にも困難が生じますよね。
普段から次のような点を意識し、ぎっくり腰を未然に防ぐよう心がけましょう。
- 骨盤を起こよう意識する
- 疲労を溜め込まない
- ストレスを発散する
それぞれについて簡単にご紹介します。
骨盤を起こすよう意識する
ぎっくり腰を予防するためには、骨盤を起こすよう意識することが重要です。
骨盤が前後に傾くと、腰まわりの筋緊張を招き、ぎっくり腰の発症リスクを高めるからです。
とくにデスクワークの方は、坐骨で座るイメージを持つとよいでしょう。
疲労を溜め込まない
疲労を溜め込まないことも、ぎっくり腰の予防につながります。
疲労が蓄積すると身体の回復力を低下させ、腰の筋緊張が取れなくなるからです。
できればお風呂にしっかりと浸かり、十分な睡眠をとるようにしましょう。
ストレスを発散する
ぎっくり腰を予防するためには、ストレスを発散することも重要です。
意外かもしれませんが、ストレスが腰痛のリスクを増すことは、科学的にも証明されています。
心身のストレスを適度に発散することが、ぎっくり腰や腰痛(慢性腰痛)のリスクを下げてくれますよ。
ぎっくり腰からの腰痛を予防して快適な日常を手に入れましょう
ぎっくり腰の症状は、1ケ月もすれば忘れてしまうのが一般的です。
ただ、ぎっくり腰になるような生活習慣を続けていると、腰痛が慢性化する恐れもあります。
今回ご紹介した点を参考に、ぎっくり腰や腰痛がクセにならないようにしましょう。
ぎっくり腰や腰痛には正しく対処することで、痛みを気にせずに運動やデスクワークができますよ。