坐骨神経痛の原因とは?ぎっくり腰との共通点

原因

腰痛の方が病院や整形外科を受診すると、坐骨神経痛と言われるケースが多々あります。

実は、坐骨神経痛は病名ではありません。

本記事では坐骨神経痛の本当の原因やぎっくり腰との関係について解説します。

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坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛は病名ではなく、坐骨神経沿いに見られる症状の総称です。

画像診断で腰痛の原因がわからない際に、しばしば坐骨神経痛と診断されます。

はじめに、坐骨神経痛の概要について解説します

坐骨神経とは

坐骨神経とは

坐骨神経は腰臀部から足のつま先まで伸びている人体で一番太く・長い神経です。

身体のどこかで坐骨神経が圧迫されると、神経沿いのさまざまな場所に痛みやしびれが生じます。

坐骨神経には主に足を動かしたり、痛みや感覚を脳に伝えたりするはたらきがあります。

坐骨神経痛は病名ではない

坐骨神経痛は症状の総称で、病名ではありません。

わかりやすく言えば、頭痛や腹痛と一緒です。

坐骨神経沿いに痛みやしびれが出ている状態を説明しているにすぎません。

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛の原因

坐骨神経痛の原因として以下の例が挙げられます。

  • 腰椎椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎圧迫骨折など

ただし、上記の原因で腰痛が起こるのは全体のおよそ20%に過ぎません

坐骨神経痛とぎっくり腰の共通点

坐骨神経痛とぎっくり腰の共通点は、いずれも原因がよく分からない点です。

両者ともにレントゲンやMRI検査をしても、原因不明とされるケースが大半を占めます。

画像検査で原因がわからないのは、筋肉をはじめとする軟部組織を見ていないためです。

坐骨神経痛の本当の原因とは?

坐骨神経痛の本当の原因とは?

腰部疾患に起因する坐骨神経痛は全体のおよそ20%です。

骨や神経に原因がないとしたら、その他の軟部組織に起因すると考えるのが理論的と言えます。

主な軟部組織の例は以下のとおりです。

  • 筋肉
  • 筋膜
  • 靱帯

坐骨神経痛が治らないのは、軟部組織の異常を取り除けていないためです。

筋肉

筋肉

坐骨神経沿いの筋肉が緊張すると、神経沿いに痛みやしびれが出やすくなります。

筋肉が緊張する原因は不良姿勢や疲労、冷えなどさまざまです。

とくにおしり回りの筋肉が硬くなると、坐骨神経痛の発症リスクが増加します。

筋膜

筋膜は筋肉や神経、骨、血管、内臓など多くの器官を覆う結合組織です。

筋膜は第二の骨格とも呼ばれており、硬くなるとさまざまな不調を引き起こします。

たとえば、坐骨神経沿いの筋膜が硬くなると、足のしびれを生じやすくなります。

腱は筋肉と骨とを結んでいるひも状の組織です。

腱の柔軟性が低下すると関節の動きが悪くなり、関節周りの不調が生じやすくなります。

おしりにある梨状筋腱が硬くなると、坐骨神経痛の発症リスクが増加します。

靱帯

靱帯

靱帯は骨と骨とを結ぶ結合組織で、主に関節を安定させるのが特徴です。

しかし、靭帯が硬くなりすぎると関節の動きが制限され、筋肉に余計な負担が生じます。

とくに仙腸関節の動きが制限されると、坐骨神経痛をはじめ腰部疾患の発症リスクが増加します。

自宅でできる坐骨神経痛の改善法

自宅でできる坐骨神経痛の改善法

ヘルニアや狭窄症が原因でない坐骨神経痛に関しては、以下の方法での改善が期待できます。

  • お風呂で温める
  • 筋トレ
  • ストレッチ

ここでは、自宅でできる坐骨神経痛の改善法を解説します。

お風呂で温める

お風呂で温める

筋緊張が原因の坐骨神経痛は、お風呂で温めると症状の緩和が期待できます。

お風呂で温めて症状が軽くなる方は、積極的に入浴するのがおすすめです。

身体が温まると血行が促進されるため、さらに坐骨神経痛の改善が促されます。

筋トレ

姿勢不良が原因で起こる坐骨神経痛は、筋トレで骨盤を安定させて改善を図りましょう。

痛みがひどくないタイミングを見計らい、以下の手順でお尻の筋肉を鍛えるのが効果的です。

  • 布団やベッドにあおむけで寝る
  • あぐらをかくように両足の裏をくっつける
  • 両足で支えながらお尻を5㎝ほど浮かせる
  • 30秒静止して元の姿勢に戻す
  • 5~10回繰り返す

筋トレ中に痛みが出る場合はすぐに中止してください。

ストレッチ

ストレッチ

坐骨神経は梨状筋により圧迫されがちなため、以下のストレッチに取り組むのがおすすめです。

  • 布団やベッドにあおむけで寝る
  • 両手で右ひざを抱えて胸の方へ引き寄せる
  • 30秒たったら反対側も同様に行う

右ひざは左肩の方へ、左ひざは右肩の方へひねりを加えて引き寄せるのがポイントです。

坐骨神経痛はどこで見てもらえばいい?

坐骨神経痛はどこで見てもらえばいい?

セルフケアで坐骨神経痛が改善しない場合は、専門家の治療・施術を受けるのがおすすめです。

坐骨神経痛の症状がある方は、まず整形外科を受診しましょう。

整形外科で原因がわからない場合は、整骨院や整体院で見てもらう方法があります。

整形外科

坐骨神経痛の原因がヘルニアなど腰部疾患にあると判明すれば、原疾患の治療が行われます。

重度のヘルニアや狭窄症がある場合は、手術療法が検討されるケースもあります。

原因不明の坐骨神経痛に関しては、対症療法を行うのが一般的です。

シップや痛み止めを渡される場合、原因がわからなかったと考えてよいでしょう。

整骨院

整骨院

整骨院では電気治療や罨法(温めたり冷やしたりする施術)で症状の改善を図ります。

ただし、慢性的な坐骨神経痛に関しては健康保険が利用できないため注意が必要です。

最近は整骨院でも自費治療で坐骨神経痛の施術を行うところが増えています。

整体院

整体院では坐骨神経痛の原因を探り、症状の根本的な改善を目指しています。

坐骨神経痛の原因はさまざまなため、自分に合った整体院で施術を受けるのがおすすめです。

整体院では健康保険が使えないため、施術代は全額自己負担が原則です。

適切な対処で早めに坐骨神経痛を改善しましょう

適切な対処で早めに坐骨神経痛を改善しましょう

坐骨神経痛は病院で検査をしても原因がわからず、お悩みの方が多い症状の1つです。

画像検査で原因がわからない場合は、信頼できる地域の整骨院・整体院で見てもらいましょう。

筋肉や筋膜など軟部組織が坐骨神経痛の原因であれば、整骨院・整体院での改善が期待できます。

症状が進行すると日常の動作に支障を来し始めるため、早めに見てもらうのがおすすめです。

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