記録的な猛暑が続く昨今、暑さ負債という言葉を耳にする機会が増えてきました。
秋バテの時期にぎっくり腰が増えるのも暑さ負債と無関係ではありません。
本記事では暑さ負債や秋バテ、およびぎっくり腰との関係について解説します。
暑さ負債ってなに?
負債は経済用語の1つで、企業の借金などマイナスの財産を意味します。
暑さ負債は夏の酷暑によるダメージが、身体におよぼすマイナス影響のことです。
暑さ負債が蓄積すると、非労作性熱中症のリスクを高めるため注意が必要です。
非労作性熱中症とは
非労作性熱中症は、暑さ負債が危険水域に達すると起こる熱中症の一種です。
労作性熱中症とは異なり、屋内作業や通常の家事でも起こる点が特徴です。
熱中症の症状は、程度によって1度から3度に分けられます。
1度
軽症例の1度の暑さ負債では、大量の発汗が見られます。
水分や塩分の摂取を行ない、涼しい場所に移動すると改善が期待できます。
ただし、涼しい場所に移動しても汗が止まらない場合は注意が必要です。
2度
暑さ負債が2度にいたるとさまざまな症状があらわれます。
頭痛や吐き気、倦怠感、嘔吐、虚脱感などが代表的な症状です。
2度の暑さ負債が疑われる際には直ちに医療機関を受診しましょう。
3度
重症例の3度の暑さ負債では、重篤な症状が見られます。
意識障害やけいれん、手足の運動障害などが代表的な症状です。
自力での移動が困難となるため、周囲の人間がすぐに救急車を手配しましょう。
参照:熱中症の症状と重症度分類
秋バテについて
近年、夏バテではなく秋バテという言葉がよく聞かれるようになりました。
そこで、秋バテの特徴や原因、主な症状について見ていきましょう。
特徴
夏バテの症状の特徴は、暑さによる食欲の低下や倦怠感といった身体面の不調です。
一方、秋バテの特徴は体調不良だけでなく、自律神経系の症状が多く見られる点です。
秋になると日中と夜間の寒暖差が大きく、自律神経への負担が大きくなるためと考えられます。
原因
秋バテの原因としては身体の冷えがあげられます。
夏の暑い時期に冷たいものを摂取しすぎると、内臓が冷えて秋に不調を引き起こしやすくなります。
また、エアコンによる冷えも秋バテのリスクを増加させる原因の1つです。
症状
秋バテも夏バテと同じく、食欲の低下や倦怠感など身体面の不調が多く見られます。
さらに、睡眠不足や集中力の低下、意欲の減退といった症状も見られやすい点が特徴です。
人によっては抜け毛の量が増えるケースもあるため注意が必要です。
秋バテの時期にぎっくり腰が増える理由は?
秋バテの時期になると、心身ともにさまざまな不調が起こりやすくなります。
中でもぎっくり腰が増えるのは以下の理由からです。
- 睡眠の質の低下
- 自律神経の乱れによる血行不良
- 過度の運動
- 冷え
秋バテでぎっくり腰が増える理由について詳しく解説します。
睡眠の質の低下
秋になると日照時間が減るため、セロトニンの分泌量が減少します。
セロトニンは睡眠ホルモンの原料となるため、秋バテの時期は睡眠不足に陥りがちです。
睡眠が足りないと身体の回復が滞るため、ぎっくり腰を発症しやすくなります。
自律神経の乱れによる血行不良
秋は日中と朝晩の寒暖差が大きく、自律神経が乱れやすい時期の1つです。
自律神経が乱れると血行が悪くなるため、身体の回復力が低下します。
身体の回復力が低下すると、腰の疲労状態からぎっくり腰へと移行しやすくなります。
過度の運動
スポーツの秋とも言われるように、涼しくなると身体を動かしやすくなります。
しかし、急に運動量が増加すると筋肉や関節への負担が増加します。
特に慢性腰痛を抱えている方は、ぎっくり腰の発症に注意が必要です。
冷え
秋バテのリスクを増加させる理由が、身体や内臓の冷えである点は先述の通りです。
冷えは筋緊張や血行不良をもたらすため、局所の疲労や栄養状態の低下を招きやすくなります。
秋になるとぎっくり腰の発症件数が増加する傾向にあるのもそのためです。
秋バテの原因を知ってぎっくり腰を予防しましょう!
秋バテは睡眠不足や冷えなど、生活習慣によってリスクが増加します。
また、涼しくなってきたら、少しずつ運動量を増やすよう意識する点も重要です。
秋バテの原因を取り除き、ぎっくり腰の予防に努めましょう!