慢性的な腰痛の改善にはストレッチが効果的とされています。
しかし、間違った方法でストレッチをすると、かえって腰痛を長引かせるため注意が必要です。
本記事では、腰痛の際にしてはいけないストレッチについて解説します。
腰痛の改善にストレッチが効果的とされる3つの理由
腰痛を訴えて病院や整骨院などに行くと、ストレッチをするよう指導されることが多いです。
理由としては主に次の3点があげられます。
- 筋緊張が緩和できる
- 関節の可動域が向上する
- 血行が促進される
ここでは、腰痛の改善にストレッチが効果的とされる3つの理由について解説します。
筋緊張が緩和できる
腰痛の多くは病院で検査をしても原因不明の非特異的腰痛に分類されます。
非特異的腰痛は、骨や神経に明らかな病変が見当たらない腰痛です。
しかし、非特異的腰痛の方の多くに、腰やお尻まわりの筋緊張が見られます。
お風呂に入ると腰痛が楽になる方は、ストレッチで筋緊張を緩めることが効果的です。
関節の可動域が向上する
医学やスポーツの世界では、身体が硬いと腰痛を引き起こしやすいことは定説です。
そのため、ストレッチで関節の可動域を高めると、腰痛の改善につながります。
特に股関節の可動域を高めると、腰痛の改善・予防効果が期待できます。
血行が促進される
腰痛に限らず、何らかの症状が出ている箇所には必ず血行不良が見られます。
血行不良に陥った箇所では栄養状態が悪化し、回復力が低下するためです。
ストレッチにより血行を促進すると、患部の回復力を高めることが期待できます。
腰痛の方がしてはいけないストレッチのやり方
ストレッチは腰痛の改善に効果的な方法の1つではあります。
しかし、次のようなやり方はかえって腰痛を悪化させる恐れがあるため注意しましょう。
- 痛いほど筋肉を伸ばす
- 伸ばす筋肉を意識する
- 股関節を無理に開く
- ひざに痛みが出る
ここでは、腰痛の方がしてはいけないストレッチのやり方について解説します。
痛いほど筋肉を伸ばす
腰痛改善に限らず、ストレッチをおこなう際に痛いほどの刺激はNGです。
痛いほど筋肉を伸ばすと、防衛反応により筋肉がかえって硬くなります。
ストレッチはあくまでも気持ちよく感じる範囲でおこないましょう。
伸ばす筋肉を意識する
意外に思うかもしれませんが、ストレッチの際に伸ばす筋肉を意識するのはNGです。
伸ばす筋肉を意識すると、かえって筋肉が収縮して硬くなります。
伸ばす筋肉を意識するよりも、気持ちよく感じるかどうかを優先しましょう。
股関節を無理に開く
ストレッチで股関節の可動域を広げると、腰痛の予防・改善に効果的です。
しかし、一般の方が180度の開脚を目指す必要は全くありません。
可動域が広がっても支える筋力がなければ、股関節にダメージを与える恐れがあります。
股関節に関しても、自分なりに気持ちよく感じる範囲でストレッチすればOKです。
ひざに痛みが出る
太もものストレッチをする際に、ひざの痛みが出る方は要注意です。
間違ったストレッチによりひざの靭帯を傷めると、半月板損傷などのリスクが増加します。
特に太ももの裏を伸ばす際に、ハードラーズストレッチングをしている方は今すぐやめましょう。
ひざは前後に曲がる関節のため、一般の方にはひざをねじるストレッチは厳禁です。
腰痛のタイプ別におすすめのストレッチ
一口に腰痛といっても痛みが出る動作は人によりさまざまです。
そこで、大きく分けて前屈・後屈で腰痛が出る方におすすめのストレッチを紹介します。
前屈で腰痛が出る方におすすめのストレッチ
前かがみになると腰痛が出る方には、ハムストリングスのストレッチがおすすめです。
デスクワークで猫背になりがちの方は、以下の手順でストレッチに取り組みましょう。
- フェイスタオルかスポーツタオルを持ってあおむけに寝る
- タオルを左足の裏にひっかける
- 両手で引っ張りながら左足を高くあげる
- 30秒たったら反対側も同様におこなう
足を上げる際にひざが曲がらないよう意識しましょう。
身体が硬い人はゴムチューブを利用するのもおすすめです。
後屈で腰痛が出る方におすすめのストレッチ
背中を反らすと腰痛が出る方には、大腰筋のストレッチがおすすめです。
椅子に座る際に反り腰になる方は、以下の手順でストレッチに取り組みましょう。
- 両足を前後に大きく開いて立つ
- 両ひざを曲げて上半身をまっすぐ下ろす
- 前のひざが床と平行になったら30秒間キープ
- 足を入れ替えて同様におこなう
後ろになった足側のお腹にハリを感じれば、上手にストレッチできている証拠です。
正しいストレッチで慢性的な腰痛を改善しましょう
ストレッチや腰痛に効果的とされますが、正しくおこなった場合に限られます。
間違ったストレッチをすると腰痛だけでなく、ひざの痛みなども出やすくなるため注意が必要です。
今回紹介した簡単なストレッチに取り組み、慢性的な腰痛を改善に導きましょう。
