ぎっくり腰はだれにでも起こり得ますが、産後に発症することもよくあります。
とくに生後3ヶ月までに発症する場合、その時期に特有の原因が考えられます。
正しい対処法で、早くつらい症状を改善しましょう!
産後3ヶ月までに多いぎっくり腰の原因
産後3ヶ月までのぎっくり腰は、とくに次のような原因で起こりやすくなります。
- 筋力の低下
- 睡眠不足
- 長時間の同一姿勢
- 赤ちゃんの抱え方
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
筋力の低下
産後3ヶ月までのぎっくり腰は、筋力の低下が原因で起こりやすくなります。
筋力が低下すると腰を支えられなくなり、腰まわりを痛めやすくなるからです。
妊娠中に意識して身体を動かしていなかった方に、多く見られる原因でもあります。
睡眠不足
睡眠不足も産後3ヶ月までのぎっくり腰を引き起こす原因の1つです。
睡眠中に身体を回復できないと、徐々に腰のダメージが蓄積するためです。
産後しばらくの赤ちゃんには朝と夜の区別もありません。
そのため、産後ママはとても大変なことをご主人も知っておきましょう。
赤ちゃんの抱え方
赤ちゃんの抱え方によって、ぎっくり腰の発症リスクを増すことがあります。
とくに反り腰の状態が長く続くと、腰まわりへのダメージが蓄積します。
できるだけ反り腰にならないよう、赤ちゃんを抱っこするよう意識しましょう。
長時間の同一姿勢
長時間の同一姿勢も、産後3ヶ月までのぎっくり腰の発症リスクを高めます。
筋肉や関節が硬くなる原因の1つが、動かずにじっとしていることだからです。
とくにソファーに寄りかかって座る習慣がある方は要注意です。
産後3ヶ月までのぎっくり腰への誤った対処法
ぎっくり腰への対処法は症状の程度などにより実にさまざまです。
ただ、産後3ヶ月までは次のような対処法を避けたほうが無難でしょう。
湿布
産後3ヶ月までのぎっくり腰には、湿布を貼らない方がよいと考えられています。
湿布の成分が血中に溶け込むと、母乳を通して赤ちゃんが摂取してしまうからです。
どうしても湿布を使いたいときは、かかりつけの医師に相談してからにしましょう。
骨盤矯正
産後3ヶ月までは骨盤矯正も避けたほうが無難です。
その理由として、以下のような点があげられます。
骨盤はゆがまない
骨盤矯正を避けたほうがよい理由の1つが、そもそも医学的に骨盤はゆがまないからです。
確かに出産時には一時的に骨盤が開きますが、産後は速やかに元に戻ります。
骨盤が開いたままだと、痛くて歩くこともできないからです。
ぎっくり腰も骨盤がゆがむから起こるわけではありません。
ダイエット効果はない
産後の骨盤矯正でダイエット効果を謳う治療院もあると思います。
ただ、産後の骨盤矯正にダイエット効果はありません。
産後は赤ちゃんのお世話や授乳で、寝る暇もないほど忙しくなります。
その時期に骨盤矯正をおこなうと、施術のおかげで痩せたように勘違いするだけのことです。
ぎっくり腰を起こした場合の正しい対処法
産後3ヶ月までにぎっくり腰になったら、慌てず次のように対処しましょう。
1~2日目は冷やす
ぎっくり腰になったら、1~2日目は患部を冷やすとよいでしょう。
冷やすと炎症の拡大を鎮め、痛みを緩和する効果が期待できます。
アイスパックなどを使い、患部を1時間当たり10分ほど冷やすのが目安です。
3日目からは温める
ぎっくり腰の発症から3日たったら、温める方向に切り替えましょう。
いつまでも冷やしていると、血行不良によって回復が遅れてしまいます。
お風呂に入って気持ちよく感じるなら、どんどん温めるようにしましょう。
安静にしすぎない
ぎっくり腰の発症から3日たったら、安静にしすぎないことも重要です。
医学的にも、安静がぎっくり腰の回復を早めないことが証明されています。
無理のない範囲で、少しずつ身体を動かすよう意識しましょう。
コルセットを利用する
ぎっくり腰の発症後に授乳する時など、コルセットを利用するのがおすすめです。
コルセットによって関節の動きが固定され、腰にかかる負担を減らすことが期待できます。
おすすめのコルセットとしては、以下のような商品があげられます。
痛みが落ち着いてきたらストレッチに取り組む
ぎっくり腰の症状が落ち着いてきたら、ストレッチに取り組みましょう。
ぎっくり腰はほとんどの場合、筋緊張や関節の硬さによって起こります。
そのため、普段からストレッチで筋肉や関節を柔軟に保つことが重要です。
産後3ヶ月までのぎっくり腰を速攻で楽にする方法
ぎっくり腰に対して即効性のある対処法は、基本的には痛み止めくらいのものです。
ただ産後しばらくは授乳の必要があるため、薬を体内に入れたくありませんよね。
そんな方にはひざ倒し体操がおすすめです。
- 布団の上であおむけになり両ひざを立てる
- ひざをそろえてゆっくり左右に倒してみる
- 痛みを感じない方に両ひざをゆっくりと30秒間倒す
- 反対側にゆっくり倒して痛みを確認してみる
- 痛みが残っていれば③を繰り返す
ひざ倒し体操のポイントは、痛い方に倒さないことです。
痛い方に倒すのは、症状が緩和しているか確認するときだけにしましょう。
何度が痛くない方に倒していると、徐々に動きが楽になってきますよ。
産後のぎっくり腰がクセにならないよう気をつけましょう!
産後のぎっくり腰は、骨盤のゆがみとは関係ありません。
ほとんどは生活習慣からくる筋緊張や関節の硬さによってもたらされます。
急性期をすぎたら徐々に身体を動かし、ぎっくり腰の原因を取り除きましょう。
つらいのは今だけ、「あんなことがあったな」と振り返るときがきっときますよ。