腰痛を訴えて病院で検査をしても、大半が原因不明とされます。
一方で、腰痛の78%は原因が特定できるとの説もありますがどちらが正しいのでしょう。
本記事では腰痛の原因、および痛みが起こるメカニズムについて解説します。
2種類の腰痛について

腰痛は大きく特異的腰痛と非特異的腰痛の2種類に分類されます。
特異的腰痛の代表例が、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症です。
しかし、腰痛で病院を受診しても原因不明と言われた方は多いのではないでしょうか。
そのような腰痛を非特異的腰痛と呼んでいます。
腰痛の85%は原因不明?

日本では長く腰痛の85%が原因不明とされてきました。
85%が原因不明との根拠はアメリカの統合診療医などの論文です。
論文では画像だけでは正確な診断ができない腰痛を非特異的腰痛と定義しています。
実際に検査で明らかな異常が見つかる腰痛は全体の10~15%に過ぎません。
78%の腰痛は診断可能?

腰痛の原因について、2016年に山口県腰痛スタディと呼ばれる研究報告が行われました。
研究では画像だけでなく、身体所見や神経ブロックの効果などから確定診断をおこないました。
その結果、これまで原因不明とされた腰痛の78%を診断可能としています。
山口県腰痛スタディにおける腰痛の原因

山口県腰痛スタディでは、これまで原因不明とされた腰痛を以下のように診断しています。
山口県腰痛スタディの課題

山口県腰痛スタディはこれまで原因不明とされた腰痛を診断可能とした画期的な研究です。
しかし、課題として以下の3点が挙げられます。
被験者の数が少ない

山口県腰痛スタディでは、県内の整形外科を受診した320人を対象に研究が行われています。
日本の腰痛人口は2800万人とも言われており、研究対象は腰痛全体の0.001%に過ぎません。
320人では分母が少なすぎると言えるでしょう。
高齢者が多い

山口県腰痛スタディの被験者の平均年齢は55.7歳です。
しかし、男性は30代から50代に腰痛を多く発症するとわかっています。
そのため、腰痛の好発年齢を対象とした研究とは言えません。
腰痛人口が減っていない

山口県腰痛スタディは原因不明の腰痛を診断可能とした画期的な研究とされています。
しかし、発表後に腰痛人口が減ったかと言うと、むしろ増加傾向にあります。
「診断可能となった=腰痛を治せるようになった」わけではありません。
腰痛が起こるメカニズム

腰痛の原因がわからないのは、昔ながらの画像検査が主流のためです。
山口県腰痛スタディでは筋肉や筋膜にも注目している点が画期的です。
ただし、腰痛が起こる以下のメカニズムを理解しておかないと改善は難しいでしょう。
筋緊張により痛み物質が生成される

何らかの原因で筋肉が硬くなると、発痛物質が生成されて筋肉痛のような痛みを生じます。
さらに、筋緊張による血行不良が長く続くと、発痛物質が局所に長くとどまります。
以上が、腰痛が慢性化するメカニズムです。
筋緊張は不動により起こる

腰痛の原因となる筋緊張は、「使い過ぎ」と「不動」の2つによって起こります。
使い過ぎの分かりやすい例が筋肉痛ですが、2~3日で改善するのが一般的です。
一方、不動による筋緊張は身体の深い箇所で起こるためしばしば慢性化します。
デスクワーカーの腰痛が治りにくいのも、不動の姿勢を長く続けるためです。
慢性腰痛を改善したい方は筋肉を見てもらいましょう

山口県腰痛スタディなどの研究により、腰痛の原因は次第に明らかになりつつあります。
しかし、多くの整形外科では今でも画像検査を重視しているのが現状です。
そのため、画像所見で異常がないと痛み止めやシップを渡されて終わりとなってしまいます。
慢性腰痛を改善したい方は、整骨院や整体院で筋肉を見てもらいましょう。

